セブン&アイHD、ヨーカドー店舗2割削減&「祖業」衣料品は「完全撤退」 だが、必ずしも「スーパー事業」の見切りではない理由

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創業家出身・伊藤順朗氏が昇格...スーパー事業、引き続き重視の姿勢 米投資ファンドが主張する「コンビニ分離」に対抗?

   ヨーカドーについて、セブン&アイHDはこれまでも不採算店の閉鎖など収益改善を図ってきた。だが、2022年2月期まで2期連続の最終赤字と、不振を脱せられでいない。

   「物言う株主」として知られる米ファンド「バリューアクト・キャピタル」(セブン&アイHD株の4.4%を保有)はコンビニ事業の分離・独立を求めていた。

   1月にも「100%のスピンオフを通じたセブン-イレブンの資本再構築は、現状維持に比べてセブン&アイHDの株主価値を向こう10年で80%高めると見積もっている」として、改めてセブン&アイHD株主に分離・独立案への支持を訴えたばかり。

   「コンビニ分離」といっても、実質的にはコンビニだけ残し、最終的にはスーパーなどは売り払う構想だ。

   今回のセブン&アイHDの発表は、バリューアクトへの回答でもあり、コンビニ完全分離を拒否したものだ。この発表と同時に4月1日付の幹部人事を公表したが、その中で注目されたのが創業家出身の伊藤順朗取締役常務執行役員の代表取締役専務執行役員への昇格だ。

   伊藤氏は発表翌日の3月10日に亡くなった創業者の伊藤雅俊氏(セブン&アイHD名誉会長)の二男だ。代表取締役としてスーパー事業全体の管理に当たるとしており、スーパーを引き続き重視する姿勢を示した人事と受け止められている。

   セブン&アイHDの決算を見ると、売上高に当たる営業収益の8割をコンビニ(その9割が海外)が占め、営業利益では9割以上を稼ぎ出す(23年2月期予想)。

   スーパーは営業収益では12%を占めるが、利益はほとんど貢献していない。営業収益の4%だけ、利益はほぼゼロの百貨店事業(西武そごう)は22年10月に売却を発表済みで、風当たりは強まるばかりに見えるスーパーだが、商品開発・展開のうえで不可欠という。

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