マツダは地元・広島市の菓子メーカー「にしき堂」と組み、マツダ車の焼き印が入った特製まんじゅうを発売した。自動車メーカーのお膝元の地元企業が車名の入った菓子などを販売するケースはこれまであるが、マツダは本業の一環として菓子メーカーと商品を開発している。コラボ企画がファンの心をつかむか注目される。
R360クーペ、ファミリア、初代ロードスターなどが焼き印 全5種の特製シールも気になる!
特性まんじゅうは、にしき堂の名物「もみじ饅頭(まんじゅう)」がベースで、R360クーペ、ファミリア、初代ロードスターなど歴代のマツダ車の焼き印が入っている。
化粧箱には赤いロードスターが描かれ、特性まんじゅうの包み紙も「マツダ車をイメージさせる赤色」を基調にしているという。
化粧箱と包み紙には「NISHIKIDO×MAZDA」の文字と両社のマークが入り、マツダの「純正部品」ならぬ「純正菓子」であることを証明している。
実はマツダは2022年12月、広島県呉市の地元企業のクッキーにロードスターを描いた特製菓子を販売しており、今回のまんじゅうは第二弾になる。
マツダは地元企業とコラボした商品開発を「広島つながリンク」と呼び、マツダの魅力発進と地域社会の活性化に貢献することを目指している。「広島のモノづくりを通じて、広島の魅力をたくさんの方に知っていただきたい」という。
マツダとにしき堂の特製まんじゅうは2023年3月7日から、にしき堂直営店のほか、同店のオンラインショップで発売している。価格は1400円。
特製まんじゅうにはメッセージカードのほか、広島の名所とマツダ車のイラストが描かれた全5種類の特製シールのうち、いずれか1枚が入っているという。
ちなみに、オンラインショップをのぞいてみると、「商品のご提供が間に合わない状況」(3月中旬現在)とあり、「品薄」となっているようだ。
スバリストたちが「聖地巡礼」で「スバル最中」を買うように...いずれ広島も?
ところで、自動車メーカーのお膝元の菓子メーカーがクルマにちなんだ商品を開発・販売するケースとしては、群馬県太田市の「スバル最中(もなか)」が有名だ。
これはSUBARU(スバル)の企業城下町・太田市の老舗菓子店「伊勢屋岡田商店」が販売する特製もなかだ。スバル360に始まり、レオーネ、レガシィなど歴代のスバル車がもなかの皮を模っている。
伊勢屋はスバルが中島飛行機だった1934年創業の老舗菓子店で、1970年代からスバル最中を販売。インターネットなどない時代から、その存在がファンの間で知られるようになった。
「スバリスト」と呼ばれる全国のスバルファンが、スバルの本拠地・太田市を訪れることを「聖地巡礼」と言う。その際、スバルの群馬製作所近くの伊勢屋を訪れ、スバル最中を買うのが定番になっている。太田市観光物産協会によると、「スバル最中を目当てに全国からスバルファンが訪れる」という。店舗の前で記念撮影するコアなファンもいる。
果たして、マツダの特製まんじゅうも、スバル最中のような人気商品となるのか。そして、全国のマツダファンが広島を「聖地巡礼」に訪れ、にしき堂で特製まんじゅうを買う日は近いのか。期待して注目したい。(ジャーナリスト 岩城諒)