食料物価...高いのは福井県・沖縄県、安いのは長野県
所得と物価の関係性を見ると、所得が上位10に入っていて、物価が上位10に入っているのは東京都、滋賀県、神奈川県の1都2県。所得が下位10に入っていて、物価が下位10に入っているのも宮崎県、鹿児島県、奈良県と3県である。群馬県のように、所得では上位10に入っていながら、物価では下位10に入っているところもあり、所得と物価に強い関連性は見られない。
物価で気になるのは、食料と住居だろう。そこで、2021年度の食料の消費者物価指数を見ると、意外にも最も高いのは福井県と沖縄県の103.9。次いで、石川県の103.4、東京都は4位の102.8だ。食料だけでいえば、福井県、沖縄県、石川県の方が、東京都よりも高いということになる。
一方、食料の物価が安い1位は長野県、次いで、宮崎県となっている。だが、大都市を抱える府県は食料が高いのかといえば、下位10には福岡県や愛知県が入っており、人口の多さが食料の物価に影響しているとはいえなさそうだ。(表4)
ただ、住居の消費者物価指数は、明らかに人口数の影響を受けている。
2021年度の上位10は軒並み人口数の多い都道県が入っている。全国平均の100を超えているのは、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、京都府の1都1府3県のみで、それ以外は平均を下回っている。東京近郊の不動産価格がいかに高いのかがわかる。一方、下位10には少子高齢化により過疎化が進む県が並んでいる。(表5)
こうして家計関連を取り上げて見ると、所得額、貯蓄額、さらには物価を引き上げているのは東京都であることが鮮明になり、東京都の影響がいかに大きいかが明らかだ。
次回は税金と福祉に焦点を当ててみたい。【第4回につづく】