「日米二刀流」でお宝銘柄を発掘
「週刊東洋経済」(2023年3月18日号)の特集は、「株の道場 米国株&日本株」。「会社四季報」2023年2集春号、「米国会社四季報」23年春夏号の予想をもとに、「日米二刀流」でお宝銘柄を発掘している。
利上げの逆風で足踏みが続く米株価。つられて日本株もボックス圏が続いている。しかし、3月17日発売の「会社四季報」2023年2集春号によると、国内上場企業全社計の来期営業利益は前期比14.4%増と、前期実績の12.1%増、今期予想の9.6%増から加速する見通しだ。
業績記事の見出しも「上向く」「反発」といった業績回復、「連続最高益」「最高益」といった好調さを示す言葉が多いという。全業種の純利益を業種別に見ると、来期増益は25、減益は8と増益が上回る。
今後の株価をどのように見通せばいいのか、証券会社やシンクタンクのストラテジスト、エコノミストが今後の日経平均株価とダウ平均を予想している。
日経平均については、回答者6人のうち3人が「12月の高値」を見込んでいる。SMBC日興証券の安田光チーフ株式ストラテジストは3万2000円、野村証券の池田雄之輔チーフ・エクイティ・ストラテジストと東海東京調査センターの長田清英チーフストラテジストは3万1000円の高値とする。
安田氏は、年後半にはFRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ姿勢が転換されると読む。また、池田氏も「世界的なインフレの沈静や中国のゼロコロナ政策解除」も、日経平均上昇の理由として挙げている。
一方、「4月高値、年後半に向けて下落」と逆の予想をするのが、ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストと智剣・Oskarグループの大川智宏CEO兼主席エコノミストだ。井出氏は、高値が4月の2万8500円、安値が7月の2万5000円と予想する。
「春にFRBの利上げ停止が確実視され市場心理が改善する。だが、年央にかけて日銀の緩和縮小と米国景気減速、円高が逆風になる」と指摘。高値が4月の2万8000円、安値が10月の2万3000円とする大川氏も、「米国の景気後退が年央から深刻化し始めると想定。世界的な景気後退に巻き込まれる形で、日本も本格的な株式市場の下落局面へと突入する」と見ている。
ダウ平均予想は回答した5人のうち4人が「12月の高値」を見込んでいる。大和証券の壁谷洋和チーフグローバルストラテジストは、「年後半にかけてFRBの利下げ期待がより強く醸成されていくことで、再び金融相場がやってくる」と見ている。「年後半の上昇局面に備え、じっくりと銘柄を選びたい。遅くとも年前半にはエントリーを済ませておく必要がある」と助言している。
「会社四季報」春号から、最高益更新ランキング、純利益上方修正ランキングなど10のランキングを紹介している。
また、米国株についても、1000社ランキングで次のGAFAM株を発掘しようと、テスラなどを推奨している。米国株投資のQ&Aも参考になるだろう。