東京の桜も咲き始め、出会いと別れに彩られた春を迎えている。2023年に入社を迎える新入社員たちもさまざまな期待と不安を抱え、準備に忙しいことだろう。
学情が行った企業・団体の人事担当者を対象にした「入社式」についてのアンケートによると、回答者全体の81.2%の企業が入社式をリアル(対面式)で開催することがわかった。2023年3月13日の発表だ。2022年から14.0%の大幅な増加で、実施規模はコロナ禍前の2019年と同規模を予定しているようだ。
一方で、気になるのは、入社式での「マスク着用」。これについては「マスク着用を求める予定」と回答した企業が50.0%で最多となっており、担当者からは「新入社員に『個人判断』をゆだねても判断しにくいと思うので、会社として指針を出す予定」「5類移行までは様子を見たい」といった声も上がっている。
90%近くが「コロナ禍前」と同規模で 担当者は「同期との人間関係築いて」「入社した実感を得てほしい」
この調査は2023年2月20日から2月28日まで、企業・団体の人事担当者を対象に、Web上でのアンケート調査で実施。有効回答は612件を得た。
2023年4月の入社式はコロナ禍の中で4回目の開催となる。新入社会人の約7割が「リアル(対面式)」での入社式を希望していることを背景に、「動機と交流したい」「リアルで参加し、入社したという実感を得たい」という要望が挙がっていることを受けて、今回、企業の意向を調べる調査を企画した。
調査結果をみると、入社式の実施方法は「リアルで実施」が「81.2%」と過半数以上を占めた。これは2022年度の調査と比較すると、14.0ポイントの上昇(前年度は67.2%)となり大幅な伸びを見せた。
次いで「オンラインとリアルを組み合わせて実施」(6.0%)となり、「オンラインで実施」が「0.8%」、「検討中」が「2.5%」、「実施しない」が9.5%となった。 回答者である位企業側の声として、
「大切な機会なので、対面で実施する」
「同期との人間関係を築いて欲しい」
「リアルで入社式を実施するのは、2019年4月以来」
といった声が上がっている。
続いての「リアルで実施する入社式の規模」については、「91.8%」の回答者が「コロナ前と同規模」とし、「規模を縮小」する会社は「8.2%」にとどまった。
2022年までの入社式ではオンラインの開催や規模を縮小して実施することの多かった入社式だが、「2019年4月に実施した入社式と同規模で実施する」という声も上がっているなど、コロナ禍の終わりを感じさせる。
もっとも、目下、気になるのは「マスクの着脱」についてだ。今回の調査では、対面式で開催する入社式における「マスクの着脱」の質問では、「マスク着用を求める予定」(50.0%)という回答が多かった。続いて、「検討中」(32.8%)、「個人の判断にゆだねる予定」(13.1%)、「マスク着用なしを容認する予定」(4.1%)の順になった。
「マスク着用を求める予定」と答えた担当者からは
「事業運営上のリスクを低減するため」
「新入社員に『個人判断』を委ねても判断しにくいと思うので、会社として指針を出す予定」
「5類移行までは様子を見たい」
「記念撮影時のみマスクを外し、式典中はマスク着用を促す予定」
との声が上がっている。
また、「検討中」とした企業からは、
「3月中の様子を見て検討したい」
「マスクの有無は直前の連絡でも対応可能なため、3月13日以降の世の中の状況を見て判断する」
「会話をする際は着用、その他は個人の判断に委ねるなど、式典内でも対応を分けることを検討している」
といった声が寄せられている。
なお、調査は2023年2月20日から2月28日まで、企業・団体の人事担当者612人を対象に、Web上でのアンケート調査の形式で行われた。