ニトリ、ツルハ、セイコーマート...北海道発の小売業が強い理由

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「小売ビジネスの『売ること』とは『運ぶということ』に等しい」

   では、詳しく見ていこう。まず、北海道にとどまりシェアを拡大することで道民にとって「なくてはならない存在」になった企業に触れたい。

   コンビニエンスストア「セイコーマート」を展開するセコマは、北海道の全179市町村のうち4つを除く175市町村に1083店舗を持つ。セブンイレブンよりも多いらしい。となりの店まで37キロも離れた店もある希薄な商圏に出店できるのは、店舗を起点とした物流効率化のなせる技だという。店舗配送とグループの製造工場を抱き合わせた配送ルートになっている。

   トラックの積載率は大手が5~5割といわれるのに対し、セコマは9割を誇る。積載効率を高める努力として、商店や飲食店、ホテルなど外部顧客から配送を受託している。

   効率につながる合理性がセコマの特徴のようだ。「小売ビジネスの『売ること』とは『運ぶということ』に等しい。原材料の調達にも運ぶということが関わってくる」という丸谷智保会長の言葉を紹介している。

   生活協同組合コープさっぽろは、スーパーマーケットと宅配サービスを展開。宅配事業の利用世帯は道内の15%強だ。95台の移動販売車を運行、生鮮食品や雑貨など約1000商品をそろえるほか、配食事業も行っている。

   「カフェを作ってほしい」「小中学校に弁当を届けてほしい」などの地域の要望もビジネスとして手掛けている。

   スーパーマーケットのアークスは、北海道でイオングループ、コープさっぽろと三つ巴の戦いを展開している。

   札幌地盤のスーパーにすぎなかった大丸スーパー(のちのラルズ)が、帯広、旭川地盤のスーパーと経営統合し、アークスとなった。シェア16%を超えれば、地域シェアを押さえられるという理論のもと、地域スーパーの統合を進め、青森県、岩手県のスーパーも統合、本州にも進出した。

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