大学4年生に入る直前の3月1日に解禁される採用広報開始日を過ぎて、2024年の大卒新卒者への内々定を出し始める企業が増えるなど、採用活動が本格化している。
学情の行った「2024年卒の採用状況」に関するインターネットアンケートによると、2023年3月から内々定出しの開始をする企業は23.8%で最多、企業セミナーの開催は広報解禁前の3月前の企業が63.0%と就職活動のスタートが早期化している。
さらに、次年度の2025年卒の学生対象のインターンシップやオープン・カンパニーは、「3年生の7~9月」が46.5%で最多と、企業は採用の動向を踏まえてより早期の接触を狙う企業も多いようだ。
企業セミナーの開始時期、3月より前に開始する企業63.0% 25年卒学生への接触「夏休み前」が最多に
この調査は、学情が全国の企業・団体の採用担当者を対象に「2024年卒の採用状況」に関するインターネットアンケート調査を行うもので、有効回答数は1862件を得た。
一つ目の質問の「内々定出しの開始時期」をみてみると、同社の調査ではここ数年4月がピークだったが、今年度の調査では3月が「23.8%」が最多となった。(図表1-1)
また、2月以前の内々定出しも前年度比5.8ポイント増の「22.8%」となり、採用活動の早期化が進んでいることがわかる。(図表1-2)
続いて、採用情報を提供するための企業セミナーの開始時期は、採用広報解禁と同月の3月が「27.9%」で最多となった(図表2-1)。
一方で、3月より前に開始する企業は「63.0%」と、半数以上の企業が採用広報解禁前に実施していることがわかる。
特に「2022年10月以前」は前年を5.8ポイント上回る「18.5%」になり、多くの企業が3年生次の夏季休暇に実施したインターンシップと連動させるように、企業セミナーを実施しているとみられている。
次に、面接などの選考開始のピークは政府が要請する採用広報解禁月である3月で「35.2%」となった。前年(37.8%)を2.6ポイント下回った。(図表3-1)
一方で、2月以前に選考を行う企業は「37.2%」と、前年の「31.7%」を5.5ポイント上回っていて、選考開始に関しても早期化が顕著となった。(図表3-2)
また、インターンシップとオープン・カンパニーの実施予定時期をみてみると、2025年卒学生対象のものに関して、実施時期は「3年生の7~9月」が46.5%で最多となった。
2024年卒学生対象のインターンシップ実施時期をみてみると、「3年生の12~1月」が最多だったが、昨今の採用状況を踏まえてより早期の接触を試みる企業が目立つ。
なお、調査は2023年1月5日から2023年1月31日に学情が全国の企業・団体の採用担当者に実施するインターネットでのアンケート調査。有効回答は1862件を得た。