簡易版電子カルテを、医師に提案するプレゼン例...ぜひ参考に!
現場での具体的なシナリオ例をひとつあげておきましょう。
医療機関向けのシステムを扱っているA社が、IT機器対応に自信がなく電子カルテの導入に二の足を踏んでいる50代以上ドクターが運営するクリニック向けに開発した、簡易版電子カルテのセールス・プレゼンシナリオです。
「Attention(注意)」では、「デジタルとアナログのイイとこ採りシステムです!」という掴みからスタートします。
そのうえで実質導入部である「Interest(関心)」では、医療機関相互のデジタル情報のやり取りにより、引越し先でも旅行先でも患者自身の診断・治療履歴データを元に医療サービスが受けられる体制確立を目指して、国が医療機関の電子化対応を推奨している事実に再認識を促し、デジタル対応の必要性に共感を得ます。
次に、ヒアリングで得ている、IT化に不安があるものの要デジタル対応という時流も踏まえて、うまい進め方はないものかと悩んでいるというターゲットの実情を確認。解決策を求める「Desire(欲求)」を喚起して、いよいよ簡易版電子カルテの具体的な概要説明に入ります。
手書きカルテ作業を残しつつ一部ボタン入力でデジタル化に向けた準備となること、導入コストが電子カルテよりも安いこと、スタッフの事務負担が軽減されること――これらを提示して成約に結び付ける、というシナリオで多くの成果を得ることができました。
セールス・プレゼンテーションシナリオは、何よりまずは作ってみること、そして繰り返し練習することが大切です。AIDAシナリオを参考に、ぜひトライしてみてください。(大関暁夫)