上手なセールス・プレゼンテーションはどこが違う? うまく話を展開させるには「型」がある(大関暁夫)

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簡易版電子カルテを、医師に提案するプレゼン例...ぜひ参考に!

   現場での具体的なシナリオ例をひとつあげておきましょう。

   医療機関向けのシステムを扱っているA社が、IT機器対応に自信がなく電子カルテの導入に二の足を踏んでいる50代以上ドクターが運営するクリニック向けに開発した、簡易版電子カルテのセールス・プレゼンシナリオです。

   「Attention(注意)」では、「デジタルとアナログのイイとこ採りシステムです!」という掴みからスタートします。

   そのうえで実質導入部である「Interest(関心)」では、医療機関相互のデジタル情報のやり取りにより、引越し先でも旅行先でも患者自身の診断・治療履歴データを元に医療サービスが受けられる体制確立を目指して、国が医療機関の電子化対応を推奨している事実に再認識を促し、デジタル対応の必要性に共感を得ます。

   次に、ヒアリングで得ている、IT化に不安があるものの要デジタル対応という時流も踏まえて、うまい進め方はないものかと悩んでいるというターゲットの実情を確認。解決策を求める「Desire(欲求)」を喚起して、いよいよ簡易版電子カルテの具体的な概要説明に入ります。

   手書きカルテ作業を残しつつ一部ボタン入力でデジタル化に向けた準備となること、導入コストが電子カルテよりも安いこと、スタッフの事務負担が軽減されること――これらを提示して成約に結び付ける、というシナリオで多くの成果を得ることができました。

   セールス・プレゼンテーションシナリオは、何よりまずは作ってみること、そして繰り返し練習することが大切です。AIDAシナリオを参考に、ぜひトライしてみてください。(大関暁夫)

大関 暁夫(おおぜき・あけお)
株式会社スタジオ02 代表取締役 企業アナリスト
東北大学経済学部(企業戦略論専攻)卒。1984年、横浜銀行に入行。現場業務および現場指導のほか、出向による新聞記者経験を含めプレス、マーケティング畑を歴任。全国銀行協会出向時には対大蔵省(当時)、対自民党のフロントマンも務めた。中央林間支店長に従事した後、2006年に独立。銀行で培った都市銀行に打ち勝つ独自の営業理論を軸に、主に地域金融機関、上場企業、ベンチャー企業のマネジメント支援および現場指導を実践している。
メディアで数多くの執筆を担当。現在、J-CAST 会社ウォッチ、ITメディア、BLOGOS、AllAboutで、マネジメント記事を連載中。
1959年生まれ。
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