上手なセールス・プレゼンテーションはどこが違う? うまく話を展開させるには「型」がある(大関暁夫)

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   前回、上手なセールス・プレゼンテーションは説明が目的ではなく、相手の関心を引き付けること。

   そのためのポイントとして、プレゼンテーション資料のビジュアル的な工夫とストーリー展開が重要であるとし、ビジュアル的な工夫は見ただけではストーリーが読めない紙芝居的なモノがよいとしました。

   (以上については、会社ウォッチ「セールスパーソンが誤りがちな『説明』の仕方とは? 間違った『プレゼン資料』も作っていませんか?」をご覧ください。)

   今回はプレゼンテーションのストーリー展開、すなわちシナリオ化の基本について、魅力的なシナリオを作る方法をお話しします。

シナリオのパターンは、注意→関心→欲求→購買行動

   シナリオ化と聞くと、何やら難しそうな印象があるかもしれません。しかし、既存のシナリオパターンを拝借することで、誰にでも簡単に、魅力的なセールス・プレゼンテーションシナリオが作れるようになります。

   一般的に説明型のシナリオは、「起→承→転→結」で運ぶのが論理的でかつ分かりやすくもあるのですが、目的が相手の関心を引き付けることにあるセールスに有効なのは、マーケティングで使われるシナリオパターンです。

   その代表的なものが、AIDA(アイダ)というシナリオパターンです。

   AIDAは1920年代のアメリカ心理学者のE.K.ストロング博士が購買に向かう顧客心理の段階を分析した理論が広告や営業の世界で応用され、その後長らく利用されるようになったものです。

   この理論を元にして、テレビスポット広告シナリオに活用されるAIDMA(アイドマ)やAIDCA(アイドカ)、あるいは日本の大手広告代理店もAISAS(アイサス)という独自のシナリオパターンを発案するなど、派生型のシナリオも多く存在しています。

   AIDAは、人の購買行動がA=「Attention(注意)」→I=「Interest(関心)」→D=「Desire(欲求)」→A=「Action(購買行動)」という流れに乗ることで、スムーズに促されるという理論です。ですから、購買行動を喚起するようなシナリオを作るためには、これに沿ったプレゼンテーションの流れを想定すればいいということになります。

大関 暁夫(おおぜき・あけお)
株式会社スタジオ02 代表取締役 企業アナリスト
東北大学経済学部(企業戦略論専攻)卒。1984年、横浜銀行に入行。現場業務および現場指導のほか、出向による新聞記者経験を含めプレス、マーケティング畑を歴任。全国銀行協会出向時には対大蔵省(当時)、対自民党のフロントマンも務めた。中央林間支店長に従事した後、2006年に独立。銀行で培った都市銀行に打ち勝つ独自の営業理論を軸に、主に地域金融機関、上場企業、ベンチャー企業のマネジメント支援および現場指導を実践している。
メディアで数多くの執筆を担当。現在、J-CAST 会社ウォッチ、ITメディア、BLOGOS、AllAboutで、マネジメント記事を連載中。
1959年生まれ。
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