天然の栄養成分が豊富な「はちみつ」。栄養成分がバランスよく含まれており、適量の摂取で、風邪予防や生活習慣病の予防など健康維持によく食されています。
さらに、食べ物や飲み物に加えれば、スキンケアや口腔ケアにも効果的だとか。今日は、「パーフェクトフード」と呼ばれている「はちみつ」の実態に迫ってみます。
[入門]世界一やさしい はちみつの教科書(有馬ようこ著)ホリスティックライブラリー出版
「はちみつ」の歴史を紐解く
古代エジプトで「はちみつ」は、特権階級の人々しか食べることが許されていませんでした。貴重な自然の恵みだったことが理由です。有馬さんは次のように言います。
「ミツバチは木の上、岩場の間、または建物の塀などに巣をつくって、『はちみつ』を溜めています。これを採りに行くには大変な労力が必要でたくさん採れるわけではないので、すべての人のもとに行き渡ることはありません。貴重な食品の収穫が少なければ、その食品は希少価値が高まり、自ずと権力のある人のところに集中していきます」(有馬さん)
「この流れは今も昔も変わらず同じですね。『はちみつ』が昔から非常に貴重で希少だったからこそ、クレオパトラなどの王族(特権階級の人々)が使っていたという記録がたくさん残っているのです。クレオパトラが、『はちみつ』を美容薬として使っていたという話は有名です」(同)
エジプト文明(紀元前3000年頃~紀元前30年頃)やシュメール文明(紀元前3000年頃)でも、美容を保つ秘薬として使われていたことが確認されているといいます。
最も古い「はちみつ」の記録とは?
世界で最も古い「はちみつ」の記録は何でしょうか? いつ頃から、人類は「はちみつ」を摂取していたのでしょうか? 有馬さんは次のように言います。
「世界で最も古い『はちみつ』の記録は、スペインのバレンシアにあるアラーニャ洞窟の壁画です(紀元前6000年頃)。その壁画に、高い崖で自然のはちの巣を採ろうとしている女性が描かれていたことから、8000年前の石器時代に、人々はすでに『はちみつ』を採取していたことがわかります」(有馬さん)
「3000年以上も前の古代インドで誕生した伝統医療アーユルヴェーダ(インド亜大陸の伝統的医学)においても、『はちみつ』は薬として珍重されていました。さまざまな方法で『はちみつ』が薬として利用されています。たとえば歯や歯茎の健康保持、不眠の改善、傷や火傷の治療、心臓の不調や白内障の治療にも使われていました」(同)
「はちみつ」のおススメ応用方法とは?
ここで、「はちみつ」の応用方法について、有馬さんに聞いてみます。有馬さんは全身の保湿には、はちみつ風呂がおすすめだと言います。
「『はちみつ』を入浴剤としてバスタブに入れて溶かすだけで、はちみつ風呂ができあがります。結晶化してしまった『はちみつ』を活用するには、はちみつ風呂がおすすめです。お風呂に『はちみつ』を入れるのがもったいないと感じる人は、食べ終わった容器に残った『はちみつ』を利用しましょう。肌につけても保湿効果があります」(有馬さん)
「『はちみつ』に含まれるグルコン酸が古い角質を柔軟にし、やさしく取り除く手助けにもなるので簡単にケアすることができます。また、結晶化した『はちみつ』をココナッツオイル大さじ1と一緒に混ぜて、角質ができやすい部分をマッサージし、そのままお風呂に入ると肌の保湿だけでなく、いらない角質層をきれいに剥離することができます」(同)
本書では「はちみつ」の歴史、栄養学や活用方法について学ぶことができます。あなたは、「はちみつ」の新たな魅力に取りつかれることでしょう。
「はちみつ」の選び方から、「はちみつ」の効能など、タメになる「はちみつ情報」が満載の一冊です。(尾藤克之)