東日本大震災から12年...いまだ続く震災関連倒産、昨年も21件 なぜ収まらない?

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倒産、再び増勢 被災にコロナ禍、なんとか凌いできたが...

   東日本大震災から12年。時間の経過とともに、被災地は復興しつつある。数字のうえでは、倒産件数も少しずつ減ってきている。

   ところが、2022年1月以降の東北の倒産は、コロナ禍の影響もあって増勢局面に入っている。

   20年のコロナ禍で資金繰り支援が広がり、震災の影響を受けた企業の倒産抑制にもつながる様子もうかがえたものの、倒産抑制に大きな効果を見せた「実質無利子・無担保融資」(ゼロゼロ融資)の返済は、この春以降にピークを迎える。

   そのため、震災の影響から抜け出し、抜本的な事業再建が進んでいない企業は、再び資金繰りに窮する事態に直面する可能性が出てきた。

   そうしたなか、被災地のインフラ整備や復興事業は、終了に向けて動き出している。前出の谷澤課長は、次のように指摘する。

「たとえば建設業などは、いわゆる復興需要がなくなってきています。加えて、人手不足や資材の高騰などで厳しい経営環境にあります」

   一方で、福島第一原子力発電所の事故では、まだ立入制限の続く地域もあることや、廃炉や汚染水の処分問題が立ちはだかり、震災前の生活や企業活動を取り戻すのは容易でない。

   これにコロナ禍や、昨今のエネルギー価格や資源高、インフレ、人手不足など、経営環境には次々と難題が押し寄せている。

   こうした背景が経営者の気力を奪い、心が折れて、「企業再建をあきらめる」ことにつながっているとみられる。谷澤課長は、

「それでも復興に向けて自立を目指す地元企業は、地域経済や雇用の担い手でもある。長期的な視点で、被災地の復興を目指す企業に寄り添った支援が求められる」

   としている。

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