ゼンショーHD、ハンバーガー事業としてはリベンジ 価格面でも大胆な戦略はあるか?
一方、ゼンショーHDにとってロッテリア買収は、ハンバーガー事業としてはリベンジになる。
2002年に当時のダイエーから「ウェンディーズ」を買収したが販売の伸び悩みで、09年に撤退した経緯がある。コロナ禍で、店舗で食べる外食ニーズが落ち込む中、テイクアウトに強いハンバーガー店の魅力が一段と高まったということだろう。
今後、ロッテリアはどのように事業を展開していくのか。
そこでは、牛丼店「すき家」、回展寿司の「はま寿司」、ファミリーレストランの「ココス」など、多様な外食チェーンを抱えるゼンショーHDの総合力をいかに発揮するかがカギを握る。
まず、食材調達や物流などの効率化といった相乗効果が見込まれる。多業種展開ならではの新たなメニュー提案で、弱点だったメニュー開発力の向上も図るだろう。
この物価高騰の中でも、はま寿司は他の寿司チェーンが値上げするのを尻目に、100円メニューを守るなど、ゼンショーHDが低価格にこだわってきたことを考えると、ロッテリアでも同様の戦略をとるとの見方もある。
ゼンショーHDは多くのブランドを展開しているから、個々のブランドの利益率だけで考える必要がないと考えれば、ハンバーガーの価格をギリギリまで下げてくるかもしれない。
ロッテリアがどう巻き返しに出るか、目が離せない。(ジャーナリスト 済田経夫)