医師の高年収はわかるが、「たばこ」がトップの理由は?
続いて、年収中央値が高い職種をみると、最も高いのは「医師」で、855万円(平均年収:1027万円)となった。「医師」は、中央値と平均値の差が全職種で最も大きかった。これは、医師の担当領域が多岐にわたることと、年収が極めて高い医師が一部に存在するために差が生じたと考えられる【図表4】。
2位は「運用(ファンドマネジャー/ディーラー)」で710万円(平均値:845万円)、3位は「投資銀行業務」で700万円(平均値:850万円)、4位に製薬会社などに所属して医師や薬剤師に自社の医薬品を販売する「MR(医療情報提供者)」で650万円(平均値:700万円)だった【再び図表4】。
年収中央値が高い業種をみると、1位は「たばこ」メーカーで700万円(平均値:769万円)、2位は「投信/投資顧問」で600万円(平均値:768万円)。「投信/投資顧問」は全業種の中で最も中央値と平均値との差が大きいことから、収入の個人差が大きい業界であるといえる。
3位は「医薬品」メーカーで550万円(平均値:617万円)、4位はシャンプー、洗剤、おむつなどパーソナルケア用品の「トイレタリー」メーカーで500万円(平均値:552万円)だった【図表5】。
それにしてもなぜ「たばこ」がトップなのか。「たばこ」メーカーといえば、JT(日本たばこ産業)が思い浮かぶが、会社ウォッチでは、上場企業の財務諸表から社員の給与情報などをさぐる企画のうち、「『タバコ離れ』なのに、就職大人気のナゾ...JT社員の平均給与はいくら? 気になる業績推移や平均勤続年数もチェック!」(2022年11月4日付)という記事で、JT社員の平均年収を897万8793円(43.4歳)と取り上げた。高収入の理由は記事で明らかにしているので、興味があればご覧を。
調査は、2021年9月~2022年8月の1年間に転職サイト「doda」のサービスに登録した約56万人のデータを元に、正社員として働く20歳~65歳の年収(万円)をまとめた。年収額は手取りではなく支給額。(福田和郎)