合計特殊出生率2未満なら、人口は減少傾向に 最も高い沖縄県でも届かず
では、少子化と高齢化の状況はどうなっているのだろうか。まずは、少子化の状況を見ていこう。
全国で最も子どもの生まれている県は沖縄県で、2019年度の合計特殊出生率は1.82だ。合計特殊出生率とは、1人の女性が出産可能とされる15歳から49歳までに産む子供の数の平均を示す。
合計特殊出生率の全国平均は1.36。2を超えなければ、人口は現状を維持できずに減少する。最も高い沖縄県ですら2に届いていないのだから、日本がいかに深刻な少子化に陥っているのかがわかる。
合計特殊出生率を低い順に10都道府県取り上げると、その顔ぶれは2018年度と同じだ。東京都では1.15人しか生まれておらず、群を抜いて少ない。東京都の人口は東京都生まれではなく、地方からの流入した人によることがわかる。(表3)
一方、2021年度の人口に占める15歳未満の割合では、割合の少ない方から10都道県を見ていこう。10%を割り込んでいるのは、秋田県のみ。秋田県では子どもが10人に1人以下しかいない。もっとも、15歳未満の人口割合が最も高い沖縄県ですら16.5%でしかなく、10人に2人いないのが現実だ。全国平均でも11.8%と、わずかに10%を超えているのが実態だ。(表4)
これに対して、65歳以上が人口に占める割合は多い。割合の高い10県では、すべての県で30%を超えており、なかでも、秋田県の38.1%は突出して高い。全国平均が28.9%だが、石川県の30.1%(32位)まで33道県で30%を超えている。最も割合の低い東京都でも22.9%で、全国平均が30%を超えるのは目前に迫っている。(表5)