パウエル氏「タカ派」豹変に、ウォール街ビックリ! エコノミストが指摘...「米経済はハードランニングに」「植田日銀スタートに暗雲」

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10日の雇用統計、14日の消費者物価指数に注目!

米経済の「ハードランディング」(景気後退)が高まった(写真は着陸する飛行機)
米経済の「ハードランディング」(景気後退)が高まった(写真は着陸する飛行機)

   一方、「FRBの金融政策は回り回って振り出しに戻った」と指摘するのは、野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏だ。

   木内氏はリポート「パウエルFRB議長の利上げ再加速示唆で米国経済のハードランディング懸念が再燃か」(3月8日付)のなかで、こう分析する。

「昨年(2022年)はFRBによる大幅利上げを受けて、米国経済が景気後退局面に陥る『ハードランディングシナリオ』が相応に支持されていた。しかし、年末には、物価上昇率が鈍化し、FRBが利上げ幅を縮小させたことから、米国経済の本格的な後退は回避されるといった『ソフトランディング(軟着陸)シナリオ』が広まった。
その後、予想外に経済指標が強かったことを受けて、米国経済は拡大を続けるとの『ノーランディング(無着陸)シナリオ』が、年明け後は浮上したのである。
しかし、FRBの利上げ幅再拡大の観測が出てきたことで、回り回って『ハードランディングシナリオ』が金融市場に再び意識され始めたのである。7日のダウ平均株価がマイナス574ドルの大幅下落となったのは、その表れだろう」

   今後はどうなるのだろうか。

「FF金利のピークの水準が5.50%~5.75%程度まで上昇すると、金融市場の10年予想物価上昇率から計算した実質FF金利は、この夏から秋にかけて3.5%程度に達する計算だ。これはリーマンショック(2008年)直前の3%程度をさらに上回る水準である。
それを踏まえると、FRBの利上げは最終的には米国経済に大きな打撃を与えることが予想され、金融市場が再び意識し始めたように、米国経済が景気後退に陥る可能性は相応にあるのではないか。
今年の秋から年末にかけては、経済、物価の下振れを受けて、FRBの利下げ観測が金融市場で強まり、米国長期金利の低下とドル安傾向を促すものと見ておきたい」

   いずれにしろ、「ハードランディング」(景気後退)を受けて、FRBは今年後半、利下げに動かざるを得ないというわけだ。そして、3月FOMCでの利上げ幅に関しては3月10日の米雇用統計、14日の消費者物価指数の数字が重要な決め手になる、というのが木内氏の見立てだ。(福田和郎)

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