きょうは30代のNさんがいらっしゃっています。
「30代になりましたが、同期との差をひしひしと感じるようになりました。まわりを見ると、『要領がいい』というか、目的までスマートな動きでうらやましいなと思ってしまいます。私はどちらかというと不器用で、まわり道ばかりしていて時間がかかってしまうんですよね。はやりの効率化からはほど遠い生き方をしているなと感じています」
「効率」だけがすべてではない
Nさんと同じような考え方の人は多いように感じますね。先日も30代の方とお話しをしていたのですが、
「遠回りしないで目的地までいきたい」
「失敗したくない」
「だから、新しいことを挑戦するのもこわい」
とも言っていました。
IT化や効率化をよしとする時代になって「効率がいい」「要領がいい」人が、イコール「仕事ができる人」みたいな世の中の流れがありますよね。
いったい「非効率なことをしたくない」の非効率って、何なんでしょうね。時間がかかること、手間がかかること、無駄なことなどひっくるめて、「非効率なこと」になっていると思います。しかし、「時間がかかること」「手間がかかること」だからこそ発見できることもありますし、時間をかけてみないと分からないものもあります。
「無駄なこと」というのも「誰にとって無駄なのか」も正直、あやしいものですよね。ただ、手を抜きたいから「無駄なこと」と言っている気もします。
ひと昔前に、「事件は会議室で起きてるんじゃない! 現場で起きてるんだ!」というセリフがありましたけれど(知ってますか??)、データではなく、体験してみないと本当のことはわからない...そういうことはたくさんあります。
Nさんは不器用だからこそ、物事に時間がかかっているかと思います。とはいえ、「何度も試して自分でみつけた答え」は、この先のNさんの力、武器になっていくはずですよ。
まわり道をすることで耐性が鍛えられる
失敗しない人生は一見すると「カッコよく」見えますが、裏を返せば、「挑戦していない人生」と言えるのではないでしょうか。でも、やっぱり人間は他人と自分を比べてしまうので、順風満帆に人生を送ってそうな人がまわりにいると、うらやましく、焦る気持ちでいっぱいになってしまいますよね。
チャレンジしようと思ってやめた、チャレンジしたけど失敗した......目的地まで真っ直ぐに行けずまわり道をしてしまって、「なんで自分ばっかりこんな人生なんだろう」と悔やんでばかり。
でも、そんなまわり道で鍛えられるもの、ある程度の耐性ができているはずです。困難がきても耐えられる、試練がきても乗り越えられる。何が起こるかわからない、先の予想ができないこの時代、耐性は大事です(毎回試練続きではさすがにイヤですけどね)。
まわり道をしたからこそのチャンスもある
まわり道は、その名の通り「距離の長い、遠い方の道を通って目的地に向かうこと」なので、すぐに結果に繋がらないことの方が多いです。
ビジネスなどで「点と点がつながって線になった」と言いますが、過去の経験や知識などが、のちのちにつながっていっていくことを言います。その時には、「無駄だと思った」ことがいつか役に立っていくものです。
なので、「無駄なことをしたくない」ということは、この先のチャンスを逃している可能性もあると言えるかもしれませんね。
Nさんの不器用な生き方は、きっと将来のチャンスにつながっていくはずです! スマートじゃない人生もかっこいいと思いますよ。(ひろ子ママ)