平均年収は2183万円...キーエンスが高収益を生む理由

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採用活動も独特 内定の有無にかかわらず、「性格診断」をフィードバック

   3月から始まる会社訪問。同社はエントリーシートや志望動機も不問だが、「説得面接」など独特の面接があるという。また、「性格診断」を複数回実施し、内定の有無にかかわらず、検査結果をフィードバックしているという。

   どのような性格の人をどこに配置したらプロジェクトがうまくいったのかを見ているのだろう、と推測している。

   行き届いた取材で、読みどころが満載だ。特注の装置を決してつくらない理由、カリスマにならない創業者の信念、売上の6割近くを占める海外で、どうやって現地社員を教育し、顧客を開拓したのか、などが印象に残った。

   これまで「目的に合わなければ特に情報発信しない」という徹底的な合理主義を貫いてきたため、ベールに包まれてきたキーエンスの姿が見えてきた。

   メーカー向けの商品がほとんどなので、消費者との接点が少なく、知られざる企業だったが、意外な有名企業の筆頭株主となり、業績を立て直したことを知った。子供を持つ家庭なら、誰でも知っている会社だ。詳しくは本書を読んでいただきたい。データを重視し直販というキーエンス流が異業種でも生きたのだ。(渡辺淳悦)

「キーエンス解剖 最強企業のメカニズム」
西岡杏著
日経BP
1760円(税込)

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