プロセス重視の評価システム
高給なのは成果主義のせいと思われがちだが、意外にも「プロセス」重視だという。報酬に反映するKPI(重要業績評価指標)に設定しているのは、「累積取引社数」「商談数」「訪問社数」「電話の発信数」など数十項目。
明確な指標を設け、その実績を可視化してさらなる行動を促す。仕組みが明瞭で、言い訳を許さない。「あそこは仕組みと、それをやり切る風土がすごいんです。後輩の指導もしっかりする。人が育たないわけがない」とOBは語っている。
指導の1つが毎日のロールプレイングの特訓だ。
上司や部下、同僚と2人一組で顧客との商談のシミュレーションを行う。販売促進部門がつくった「台本」があり、まず「型」を学び、そのうえで、相手の属性や人によって内容を変える応用編も覚えていくという。
ロールプレイングはあくまで手段であり、「筋トレ」のようなものだと例えている。こうして鍛えられ、よそでは8~10年かかるが、3年目には超一流の営業になる、とOBの経営コンサルタントが語っている。
さらに、「SFA(セールス・フォース・オートメーション)」という営業支援システム、AI(人工知能)の活用により、どんな共通項を持つ顧客に営業に行けば受注の確度が高まりそうかなどを分析し、行動に役立てている。
「行動していたとしても、書かなければやっていないのと同じ」という発想が社員にあり、結果をすばやく細かく記入することにより、効率的で質の高い営業につながるという。