少子化対策の「目玉」として急浮上も...尻すぼみに終わった「N分N乗」方式とは何だったのか?

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過去何度も議論に...蒸し返されるのは、少子化対策に「有効な対策が見つからない」

   ただ、財務省幹部はこう言って警戒を緩めない。

「これでN分N乗の議論が終わったと思うのは時期尚早だ。N分N乗は過去に何度も議論になってきた」

   政府・与党内ではこれまでに何度も、少子化対策の「目玉」として世帯課税の導入が検討されてきた。

   2000年代以降になっても導入議論が盛り上がり、政府税調が「個人課税でもN分N乗方式と同様の効果を得られる」と火消しに回ったことすらあった。

   なぜ高いハードルがあるにもかかわらず、N分N乗の議論が何度も蒸し返されるのか。 ある政府関係者の見立ては明快だ。

「政府・与党はこれまでに何度も少子化対策の重要性を訴え、対策を講じてきたが、目に見える効果が上げられなかった。有効な対策が見つからない中、藁にもすがる思いでN分N乗に飛びついてしまうのだろう」

   にわかに盛り上がったN分N乗方式の導入論は、岸田政権の少子化対策に対する不安の裏返しなのかもしれない。(ジャーナリスト 白井俊郎)

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