少子化対策の「目玉」として急浮上も...尻すぼみに終わった「N分N乗」方式とは何だったのか?

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導入のハードルは高い...フランスとは異なる税金の仕組み 納税額が少ない世帯は恩恵少なく

   ただ、これをそのまま日本に導入することはできない。

   そもそも日本の所得税の対象は個人。これをフランスのような世帯課税に改めるには法律の改正が必要になる。

   さらに、現状の日本の税率では世帯の収入が同じ場合、夫婦共働きの家庭よりも、一人だけが働く片働きの方が有利に働く。高所得層ほど税負担の軽減が大きくなりやすく、逆にそもそも納税額が少ない世帯には恩恵が少なく、格差がかえって拡大する恐れもある。

   税制を所管する鈴木俊一財務相は記者会見などでこうした問題点を挙げ、「(N分N乗方式の)恩恵は限定的で、いろいろな課題がある」と導入に否定的な見方を繰り返した。

   火付け役の茂木氏の変わり身も早かった。

   2月6日の記者会見で、N分N乗方式を代表質問で取り上げたのは「対策の一つの参考例だ」とトーンダウン。さらに「日本にそのまま導入できるかと言うと課題は大きい」と付け加えた。

   導入を求める野党の声も沈静化しており、政界のN分N乗ブームは完全に下火になったように見える。

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