環境負荷が大きい商品では、消費者を引きつけられない時代に
ファッション業界で環境対応を強化する動きが進んでいるのは、大量廃棄につながるなど環境負荷が大きい商品を消費者が受け入れなくなっているからだ。
「食料品の大量廃棄はかなり以前から関心が高まっているが、だんだん衣料品の問題に目が向けられるようになってきている」と流通関係者は話す。
特に衣料品は流行に左右されるため、他の商品と比べても廃棄が多い。若者世代を中心に国連の「SDGs(持続可能な開発目標)」への関心が広がる中、「1シーズン着ただけで捨てても惜しくない」というファストファッションをはじめ、環境に配慮していないとみなされる衣料品は敬遠される可能性が高い。
安く売るだけでは消費者を引きつけられないという、大きな時代の波がファッション業界にも押し寄せている。(ジャーナリスト 済田経夫)