数字、データに強くなるには?...見やすく「可視化する」が重要スキルに

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ポイントは「データを絞る」「数字のメタファーを考える」「コンセプトを設定する」

   いよいよデータの意味や内容を踏まえて、視覚表現に落とし込むことを、「データの編集」と呼んでいる。表現したい内容に合わせてデータの項目を取捨選択したり、集計したり、他のデータと組み合わせて、適切なグラフや表現に変換していく作業だ。

   その際、重要なのは、「データを絞る」ことだという。新型コロナウイルス感染症を例に説明している。厚生労働省は、流行初期に7つのデータを毎日発表していた。

   そのうち、ふだん報道されていたのは、PCR検査実施人数、陽性者数、重症者数の3つだった。どれだけ多くのデータを見せるかは手段でしかなく、「見せるデータそれ自体が少なくても、そこから得られる示唆や考察の総量を最大化することを目的とすべき」と書いている。

   次に、「数字のメタファーを考える」ことを挙げている。数字から逆算できる意味や暗示のことだ。たとえば、新型コロナ感染状況のデータは「その地域での感染危険度」だけではなく、「国や地域の感染対策がどのくらい成功しているか」を示す指標としても使われている。

   さらに、「コンセプトを設定する」ことも必要だ。データを通じて、ユーザーに何をしてほしいかを表すことだ。先に紹介した、新型コロナのデータを一覧できるダッシュボードのコンセプトは、「冷静にデータを吟味して現状を把握できること」だった。

   そのコンセプトにしたがって、デザインの基本テーマは、可能な限り「煽り」を廃し、冷静にデータの確認ができるようにフラットな配色にしたそうだ。濃い赤や黄色といった危険色(警告色)は使わず、ダークモードの配色をベースとして中立的なイメージを与える青緑色を基本にした。

   それと同時に、速報性、独自性、データの解釈といった要素は捨てたという。そのため、必要な改良とその優先順位を明確にする作業が楽になったという。

   すでに公開されて広く知られているデータからでも面白いデータ可視化は可能だ、と説明している。日頃から興味深いデータを頭の中の「引き出し」にストックすることで、ニュースを目にした際や新しい可視化方法を知った際に組み合わせることができる。

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