生活費や教育費が足りない! そんな時は「追加児童手当」...所得格差を行政がカバー
前述の通り、ドイツの高所得者世帯には児童手当ではなく、年少者扶養控除が適応されることになっています。
そして、低所得者世帯には「追加児童手当(Kinderzuschlag)」という追加支援が用意されています。
「追加児童手当」を受給する資格があるのは、親が自分たちの分の生活費はまかなえていて、生活保護を受給するほどは困窮していないが、子どもの生活と教育のための費用が足りない層です。
この追加児童手当は1ユーロから受給でき、その上限額も今年から子ども一人当たり250ユーロにアップしました。
1ユーロでも受給が認められると、保育料や給食費が免除されたり、遠足や修学旅行、習い事の費用の補助を受けられたりする「教育及び参加パッケージ」を申請できます。
このように、一つひとつの支援に申請が必要なためか、まだまだ利用する家庭は多くないそうです。追加児童手当の受給資格がある世帯のうち、実際に申請している世帯は約35%にとどまっているとドイツ政府は推計しています。
「貧困は社会の問題」という認識が子育て支援においても出発点にあり、児童手当はドイツに暮らす子どもと行政をつなぐ、支援の窓口になっています。
たとえば、コロナ禍においては、2020年に子ども一人当たり300ユーロ、2021年に150ユーロの一時金。2022年にはエネルギーコストに対するボーナスとして、子ども一人当たり100ユーロが児童手当の枠組みを通して支払われました。