みんなスマートフォンの利用料金や、端末の購入にいくら支払っているのだろうか。誰でも隣の人の財布事情は気になるもの。
そんななか、ICT分野専門の市場調査コンサルティング会社「MM総研」(東京都港区)が2023年3月1日、「携帯電話の月額利用料金とサービス利用実態(2023年1月調査)」を発表した。
それによると、月額利用料金の平均は4458円だという。これって多いのか、少ないのか。
大手4社の平均月額利用料金が5000円、格安スマホは1900円
MM総研の調査は、大手携帯電話4社(MNO)のNTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンク、楽天モバイルと、大手のサブブランドであるワイモバイル(ソフトバンク系)とUQモバイル(au系)、そして格安スマホ各社(MVNO)を利用している15歳から69歳の男女2万4765人が対象だ。
まず、スマートフォン利用者の月額利用料金(端末代金の分割支払い分を含まない通話料+データ通信料)を聞くと、平均4458円だった。2022年7月の前回調査から91円減少し、2020年12月時点との比較では876円減少となった【図表1】。
2020年12月時点は、同年9月に「携帯電話料金引き下げ」を公約に掲げて菅偉義元首相が就任、すぐさま一気に大手各社に約4割引き下げさせた直後だ。それからもゆるやかにだが、携帯電話料金が下がっていること示している。
大手4社のスマホの平均月額利用料金は5073円、大手3社のフィーチャーフォン(いわゆるガラケー)は2602円、サブブランドは3183円、格安スマホ1961円となった【図表2】。
端末の平均購入金額が昨年より8000円増えた理由とは?
次に、スマホの端末購入金額を聞くと、平均6万9661円となった。前回調査(2022年7月)から8611円増加した【図表3】。これは、円安進行の影響を受けたことと、2022年7月にiPhoneの定価が1割以上値上がりしたことが大きな要因と考えられるという。
5G対応・非対応による端末価格の違いをみると、5Gスマートフォン利用者は8万1180円、4Gスマホ利用者(3Gを含む)は5万8031円で、両者の差額は2万3149円となった。
また、サービス別にみると、大手4社のスマホでは7万3757円、大手3社のフィーチャーフォンでは2万2707円、サブブランドは6万835円、格安スマホは5万3590円だった。
スマホのOS別にみると、iPhoneでは9万3660円、Androidでは5万2752円となり、iPhoneのほうがAndroidよりも端末購入価格が4万908円も高いことが明らかとなった。
ところで、月間データ通信量ははどのくらい使っているのだろうか。「わからない」と回答したユーザーを除いて聞くと、平均データ通信量は10.09GB(ギガバイト)、中央値は3GBとなった【図表4】。
詳しくみていくと、「1GB」が27.5%、「2GB」が10.7%、「3GB」が16.6%となり、半数以上の54.8%のユーザーが「3GB」以下の通信量となった。しかし、中央値はこれまで長く「3GB」が続いていたが、3GB未満の低容量ユーザーの割合は減る傾向にあり、1年後の中央値は「4GB」となる可能性がある、とMM総研ではみている。
なお、調査は2023年1月に全国の15~69歳の男女2万4765人にインターネットでアンケートを行なった。(福田和郎)