為替のリスクまで考えて、独自の投資配分比を計算
これは年金運用などの考え方に似ているが、株式とREIT、債券の3つの資産のリスクを均等にすると、相対的にリスクが低い債券の投資比率が高まり、株式やREITの比率は小さくなる。また、債券は、株式やREITと違った値動きをすることがある。したがって、ファンド全体の値動きも穏やかとなるのだ。
それに加え、今回のファンドではもう一歩踏み込んだリスクへの対応が組み込まれている。株式にしてもREITにしても、また債券でも、海外への投資を組み入れると為替変動のリスクが伴う。この商品では為替リスクも各資産のリスクと同等に捉え、3資産+為替の「4つのリスク」でリスク・パリティとなる基本資産配分を決定する、新しい発想を取り入れている。
日興アセットマネジメントではそのリスクを均等にする配分を独自の計算で算出した。過去15年以上のデータを分析し、配分比率を「債券66.7%、株式20%、REIT13.3%(※2)」とした。この比率をルールとして定め、トレースしていくのが、今回の商品である。【図2】
【図2】「Tracers グローバル3分法(おとなのバランス)」 資産配分について
「昨今の急激な円相場の変動を経験し、為替リスクに関しても不安を抱いた方は少なくなかったように感じています。この商品では、7割近くの配分比率のある債券分だけに為替ヘッジをかけ、リスクを均等に4等分することを目指しました」(金澤さん)