「老衰危機」に対応できるか?...ダイヤモンド「銀行」、東洋経済「DX」、エコノミスト「相続&登記」を特集

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「所有者不明」土地問題の解決に向けて

   「週刊エコノミスト」(2023年3月日号)の特集は、「4月施行目前! 相続&登記 法改正」。土地にまつわるトラブルを防ぐため、法改正の要点をまとめている。

   長期間、相続登記されておらず、登記簿を見ても所有者が分からなかったり、登記されていても所在不明だったりする土地は「所有者不明」土地と呼ばれる。

   この問題に対し、政府はさまざまな法改正で対処してきたが、その総仕上げとなるのが、今年4月施行の民法と不動産登記法の改正だ。

   土地の登記名義を変更せずに放置していると、登記簿の記載と異なり、実際に数十人もの相続人が、その土地の権利を持つという「共有」という事態が起きる。

   共有状態を解消するのに「共有物分割」と「遺産分割」の2つの手続きが必要だったが、円滑化を図るため、改正民法では相続開始から10年が経過した遺産の分割は、1回の手続きで、遺産共有持ち分を含む共有物の分割ができることとし、原則として法定相続分で分割することとした。

   このほかに、共有者が所在不明の場合にどうしたらいいのか、隣家がゴミ屋敷の場合の対処法、不動産登記の抹消法など、「所有者不明」土地問題を解決するための方法を示している。

   さらに、不要な土地・空地対策として、「負動産」を国に引き渡せる「土地国庫帰属制度」や所得税の「空き家譲渡特例」の4年延長、固定資産税の「管理不全」空き家を対象にした軽減特例改正などのエポックについて解説している。相続の基礎知識をまとめたQ&Aも参考になるだろう。

   「所有者不明」土地問題が解決して、各地の災害復旧や道路拡張など公共事業がスムーズに進むことを期待したい。(渡辺淳悦)

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