大阪・関西万博を控え...関西財界に亀裂? 「絶大な力持つ」あの人の発言で波紋

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   2025年の大阪・関西万博を控えた関西財界に亀裂が露呈した。パワーバランスが崩れ、誰も関西財界トップを牽制できない状況に陥っている。万博の成功に向けて一致団結が不可欠な関西財界に、何が起きているのか。

  • 万博予定地の夢洲
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松本正義・関西経済連合会会長、財セミでの関西同友会受け持ち「分科会」の議論に「不満」

   近代建築の傑作として知られる、国立京都国際会館(京都市左京区)。ここで2023年2月、2日間にわたって第61回関西財界セミナー(財セミ)が開催された。関西の企業経営者が国や地域、企業経営のあり方を議論する場で、毎年この時期に催される。新型コロナウイルス禍を挟み、リアル開催は3年ぶりだった。

   締めくくりの主催者による記者会見で「事件」が起きた。

   関西経済連合会の松本正義会長(住友電気工業会長)が「参加者がにこにこして真剣さがない。井戸端会議では駄目だ」とセミナーの議論を厳しく批判したのだ。

   同じく主催者であり、記者会見に同席した関西経済同友会の生駒京子代表幹事(システム開発のプロアシスト社長)は「時間が足りないなど(議論の際の)課題はいろいろ見つかった」と唇をかみしめるしかなかった。

   伏線は、財セミのメイン行事である分科会にあった。

   5つのテーマに参加者が分かれ、モデレーターの仕切りで意見を交わす。この第4分科会のテーマは「30年間、我々は何を間違ってきたのか」。はやりのテーマだけに、多くの企業経営者らが詰めかけた。

   その途中、各分科会をはしごして傍聴していた松本氏が現れ、発言を求められた。その場に居合わせた関係者によると、マイクを握った松本氏は「失われた30年」というテーマそのものに加え、労働分配に触れた直前の発言者に対する不満を爆発。会場は静まりかえり、その後を引き取ったモデレーターは何とか取り繕うとしたという。

   5つの分科会のうち3つは関経連、2つは関西同友会が受け持っており、第4分科会は後者だった。

   企業として加盟して関西経済に関係する利害調整も担う「関経連」に対して、「関西同友会」は個人単位で参加して自由に議論をする場という性格だ。そんな関西同友会が仕切った議論が松本市には「井戸端会議」に見え、よほど気にくわなかったようだ。

   松本氏は1944年生まれの78歳。関西財界の「顔」であり、大企業の首脳だ。そんな人物が、記者も居る場所でこうした言動を見せた背景には関西財界の特異な状況がある。

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