見えた!「植田日銀」のホンネと覚悟!金融緩和継続を表明しつつも... エコノミストはどう見たか?...「時間かけて引締めに修正」「来年が本格的見直しのヤマ場」

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「アベノミクス」安倍派VS「新しい資本主義」岸田首相の板挟みか

岸田文雄首相
岸田文雄首相

   ヤフーニュースコメント欄では、三菱UFJリサーチ&コンサルティング主席研究員の小林真一郎氏が、

「今後の金融政策は、景気や金融市場の現状や先行きをにらみつつ進められることになりますが、景気回復の勢いが弱いうえ、海外経済の先行きが不透明であり、賃金上昇率も物価上昇を跳ね返せるほどの強さではないため、政策修正にあたってはタイミング、手段とも慎重に検討されることになりそうです。実際の金融政策の行方は今後の状況次第で大きく変わる可能性がありますが、現時点で確実に指摘できるのは下記の通りの内容です」

として、発言の背景をこう説明した。

「(1)現在の金融緩和策は限界に近付きつつあり、体制を維持していくことは困難である、(2)このため近いうちに修正が必要である、(3)修正するとすれば、方向は緩和ではなく引き締めとなる、(4)ただし、できるだけ金融緩和的な状態を維持するために、そのペースは慎重かつ緩やかに進められていく、(5)したがって、少なくとも企業の設備投資や家計の住宅購入に大きな影響を及ぼすことはない。また、米国の金融政策との関係も無視できません」

   内外の経済状況に対する「目配り」が欠かせないと指摘している。

   一方、同欄で、法政大学大学院の白鳥浩教授(現代政治分析)が注目したのは、政界との緊張関係だ。

「植田氏の国会の所信聴取において述べたことは重要だ。政治的、そして政策的には、これまでの『アベノミクス』を否定するものではないというところがある。
そのうえで、岸田政権が述べている『新しい資本主義』の中心に躍り出てきた『賃上げ』を実現するために、景気対策を行っていくというものと考えられる」

   こう指摘したうえで、

「しかし、岸田政権の政策的な方向性とは必ずしも一致しない、ということは注意すべきである。金融緩和を続け、景気対策を日銀が行っている中で、政府が増税を行うことを検討するというのは、政策的にネガティブな効果を生む可能性がある。この人事は、『アベノミクス』を指示する党内最大派閥の安倍派と、岸田政権の方向性が、必ずしも一致していないことを際立たせていく可能性がある」

と、「植田日銀」の今後の危うさを予想した。

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