「仕事が遅い」とか「段取りが悪い」と言われたことがないだろうか。本書「いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書」(ダイヤモンド社)は、あまり書かれたことがなかった「段取り」についての名著だ。
「いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書」(水野学著)ダイヤモンド社
著者の水野学さんは、クリエイティブディレクター、クリエイティブコンサルタント。くもモンを生み出した「くまもとサプライズ」や中川政七商店、相模鉄道(相鉄)グループなどのブランディングなど、さまざまなプロジェクトを手掛けてきた。
「段取り」とは「ルーティン化する」こと
水野さんは仕事柄、同時に何十件もの仕事を並行して進め、プロジェクトごとに、商品、関わる人の職種もさまざま。それでも、ストレスなく仕事が順調に進むのは、きちんと「段取り」しているからだという。
最初に「段取り」とは「ルーティン化する」ことだと書いている。どんなに異なるプロジェクトでも、仕事の骨格、本質はすべて同じだと考えている。
「段取りによって仕事をルーティン化し、ベースをきちんとしておくことで、仕事のアウトプットのレベルが上がるのです」
ゴールをイメージし、正しい目的地を定めることから始める。その際、役に立つのが「グーグルの画像検索」だそうだ。まず完成形のイメージを「画像で、ビジュアルで」探してみることを勧める。
完成形のビジュアルをイメージすることで、仕事の「ステップ数」も見えてくる。どれくらいの難易度なのか、どれくらいのスピードで進むべきなのか、予算はどれくらいかがみえるきっかけになるという。