日銀新総裁、経済学者・植田和男氏に内定...岸田首相の真意とは? 極秘裏に進められたサプライズ人事の「舞台裏」

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日経の「雨宮正佳副総裁への打診」報道 岸田首相が即座に否定、他紙は追随せず

   日銀総裁人事をめぐっては直前まで情報が錯綜した。

「政府は雨宮正佳副総裁に総裁就任を打診」

   日本経済新聞が朝刊1面でこう報じたのは2月6日。雨宮氏は日銀が官邸に総裁候補として打診していた最有力候補だ。

   黒田総裁が主導した大規模な金融緩和は10年にわたって微修正を重ねた結果、非常に複雑な内容になっていた。量的緩和に始まり、長短金利を誘導する「イールドカーブ・コントロール」という、素人には理解できない手法に手を広げている。

「大規模緩和を継続するにしても、修正するにしても、現在の政策を正確に理解できる人物は一握り。外部人材では難しい」

   これが日銀の本音だった。

   日銀出身の雨宮氏は黒田総裁を支え、異次元緩和を何とか持ちこたえさせてきた立役者の一人。政策に熟知しているうえ、政界などにも顔が広い。日銀内外で後任候補の「本命」と見られてきた。

   しかし、日経の「打診」報道があっても、それに追随するメディアはなかった。官邸周辺などから「日経報道を追わない方がいい」という情報が相次いでいたからだ。

   当の岸田首相は2月6日、日経報道を「観測気球」とあしらってみせた。実際に、雨宮総裁案は早い段階で消えていた。

   雨宮氏は2022年中から周囲に「自分は総裁に適任ではない」と漏らし、官邸にもその意向を伝えていた。関係者は「黒田総裁とともに異次元緩和を推進してきた自分に、その修正を図る作業はできないとの思いが強かったようだ」と解説する。

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