ウォール街が期待、第3のシナリオ「ノーランディング」話題に だが、エコノミストが指摘「高金利でも株高、景気回復、インフレと共存...都合良すぎでは」

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   「ノーランディング」(景気再加速)という聞きなれないビジネス用語が米ウォール街を飛び交っている。

   歴史的な高インフレと、FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げが続くなか、景気後退の危機が迫る米国経済にあって、「ソフトランディング」と「ハードランディング」に代わる第3のシナリオとして浮上しているのだ。

   高金利、高インフレの中でも株価が上昇するという、金融市場にとって都合がよすぎる見方だが、現実味はあるのか。それとも、いつもの甘い期待で終わるのか。エコノミストの分析を読み解くと――。

  • 米国経済はどうなるのか(写真はイメージ)
    米国経済はどうなるのか(写真はイメージ)
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ウォール街が飛びついた「株式に追い風」第3のシナリオ

   「ノーランディング」とは、「ソフトランディング」(軟着陸、緩やかな景気後退)でも、「ハードランディング」(強行着陸、急激な景気悪化)でもない状態を指す。

   具体的には、金融当局が長期にわたって景気抑制的な政策を推進する一方で、インフレは続くが、株価も上昇し、景気がそのまま回復していくことを言う。

   金融市場にとって、何だか非常に都合がよい見方に思えるが、この言葉が米国経済メディアに登場したのは2023年2月中旬からだ。

   ウォール・ストリート・ジャーナル(2月13日付)「米経済、成長加速で『ノーランディング』も」はこう伝える。

《1月の雇用情勢と個人消費が予想外に強く、自動車・住宅需要も減少後に落ち着きを取り戻しつつある兆しが見られたことで、ほんの数週間前まではあり得ないと思われていた第3のシナリオに言及するエコノミストが出てきた。「経済成長の加速」だ。
調査会社ルネサンス・マクロのエコノミスト、ニール・ダッタ氏は「今は『ノーランディング』シナリオに現実味がある」と述べた。》

   ブルームバーグ(2月15日付)「ウォール街、『ノーランディング』も想定-米国株は先行き不透明」もこう伝える。

《バークレイズのストラテジスト、エマニュエル・コー氏は「市場予想はハードランディングからソフトランディングに変わり、今ではノーランディングに転じた様子だ。これは底堅い成長とインフレ率がより高く、より長く続くという構図で、株式にはやや追い風だ」と指摘。》
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