メタバースでの就活に「関心はある」けれど...
コロナ禍の影響でリアル(対面)での就活がなかなか厳しいなか、オンラインを活用した就活イベントが広がっている。
その新しい形式として、インターネット上の3次元仮想空間「メタバース」で開かれる就活準備のイベントや就活イベントについて、学生に「どのように感じているか」と聞いたところ、50.0%が「興味はあるが参加してみたいかはわからない」と答え、最多だった。
「興味があり参加してみたい」と答えた人は27.6%、「興味がなく参加したいとも思わない」は22.5%で、「参加してみたい」という学生が上回った。【図2参照】
「興味があり、参加してみたい」と答えた学生からは、
「アバターだったら気兼ねなく質問できそうだから」(文系女子)
「現地に行かなくていいし、対面だと緊張する。オンラインでも顔を出すのは緊張する」(文系女子)
「オンラインでありながらも対面のような臨場感を得られ、また質問など社員の方と交流しやすい」(文系男子)
「リアル(対面)とウェブの中間にあたるものと考えており、リアルにより近い感覚で」イベントに参加できるのと実際の自分はどこにいても参加することができるから、両方のいいとこ取りができると思う」(理系男子)
といった意見があがった。
また、「興味はあるが、参加してみたいかはわからない」と答えた学生からは、こんな声が――。
「フラットな評価がされそうなうえ、自己開示が少なくて済むという気軽さを感じるため興味はある。しかし、それで表情から伝わるものがなく、自分自身の気持ちが伝わるかが不安である」(文系男子)
「メタバースだから参加するというのではなく、興味を持ったものがメタバースだったら、うれしい、ぐらいの感覚」(理系女子)
一方、「興味がなく、参加したいと思わない」という学生の理由は、
「顔が見えないのが怖いから」(文系男子)
「わざわざメタバースでイベントを行う必要性が感じられないから。人が反応している様子が見たいのであれば、対面で行えばよいし、コロナ禍や遠方の人のことを考えるのであればZOOMなどの会議ツールを用いればよい。むしろ、企業のよって用いる方法が異なりすぎて混乱を招く恐れがあり、反対である」(理系男子)
「以前、合同説明会でメタバース形式のものがあったが、あまり良さを感じなかった」(理系女子)
などの声があり、賛否が分かれた。顔が見えないコミュニケーションの捉え方の違いがみられるようだ。
なお、調査は「マイナビ2024」の会員で、2024年3月卒業見込みの全国の大学3年生と大学院1年生を対象に、2023年1月20日~31日に実施。有効回答数は2108人。このうち、文系男子383人、文系女子879人、理系男子384人、理系女子462人。