分散投資が基本とは?
投資の基本的な考え方についても、説明している。
投資に絶対はない。だから分散する。仮に、1つの資産で期待通りのリターンを得られなくても、ほかの資産でカバーできるからだ。また、株式と債券は違った値動きをするため、併せ持つことで期待リターンは下がるが、その分リスクを抑えることで投資効率は上がるという。
次に、地域と通貨の分散。自分は日本人だという「ホームカントリーバイアス」は排除すること。銘柄も分散、また毎月、毎年、一定額を投資することで時間も分散する。
長期の資産形成に欠かせないのが、投資信託だ。自動的に分散投資することになる。
本書が勧めるのが、特定の指数(インデックス)と連動するように作られたインデックスファンドだ。ポートフォリオを構築し、その資産配分に納得できたら、それ以上は深掘りすることなく、ポートフォリオにしたがって投資信託を購入し、あとは放っておけばいい。
ポートフォリオの見直しは2~3年に1回で十分で、ふだんはお金のことは考えず、自分の仕事に集中すればいいという。
このほか、面倒な手続きが不要で節税できる「ふるさと納税」や会社員でも、個人で認められる経費がある「特定支出控除」、確定申告で節税できる「医療費控除」と「セルフメディケーション税制」についても解説している。
さらに付録として、「会社員として稼ぐ力を上げる仕事術10選」として、スケジュール管理やメモ活用術、アイデア発想法などを紹介している。
会社員は毎月給料が入るという「ポテンシャル」があり、若ければ「時間」という武器がある、と説いている。少しずつ投資すればお金の心配から解放されると知れば、気が楽になるだろう。(渡辺淳悦)
「ハック大学式 超現実的で超具体的なお金の増やし方」
ハック大学 ぺそ著
あさ出版
1540円(税込)