「わずかでも社員の生活補填をしたい」「賃金に回す余裕がない」
賃上げする企業からはこんな意見が聞かれた。
「社員のモチベ-ションアップのため」(金属製品製造・熊本県)
「このご時世に賃上げしないと人財が流出してしまう。赤字になっても賃上げするしかない」(ソフト受託開発・東京都)
「自己研鑽費用に充ててもらいたい」(貸事務所・神奈川県)
「大幅な賃上げは難しく、わずかではあるが、従業員の生活補填をしたい」(料理品小売・長野県)
「臨時手当も考えたが、人員確保には目に見えるベースアップが重要」(コンクリート工事)
一方、「賃上げしない」と答えた企業にその理由を聞くと(複数回答可)、「自社の業績低迷」(62.2%)が圧倒的に多く、2位に「物価動向」(20.2%)が入った。物価の値上げは「賃上げする」「賃上げしない」双方の理由の上位にあげられた【図表3】。物価上昇が逆に賃金改善を行えない状況をもたらしている現実もうかがえる。
賃上げしない企業からはこんな意見が聞かれた。
「昨年、賃上げを行った」(野菜作農・福島県)
「賃金に回す余裕がない」(電気配線工事・宮城県)
「自社も業界全体も採算性が低いため、賃金を上げにくい」(花・植木小売・茨城県)
「すでに能率改善などはやり尽くしており、生産量が飛躍的に増えるか、受注単価が飛躍的に高くならない限り、賃上げは無理な資金繰り」(電子計算機等製造・長野県)