みかん農家で実証実験、腐敗率に大きな改善効果
では、腐敗を改善する効果はどの程度なのだろうか――。
浜松パルスとカルテックは光触媒による食品保存の効果を検証するため、商品の販売を前(2021年12月~22年3月)に共同で、静岡市清水区のみかん農家の協力を得て実証実験を行なった。
光触媒による除菌空間と通常の空間で、それぞれ4000キログラムの貯蔵みかんの保存状態を比較した。その結果、通常の空間で保管したみかんの腐敗率が11.8%だったのに対して、光触媒で除菌していた空間では0.75%と、腐敗率に大幅な改善がみられた。
実証実験に協力したみかん農家は、
「長年貯蔵熟成みかんを生産してきましたが、光触媒の除菌空間で保存したみかんは、ほぼすべてがA判定(農協の基準)の結果に驚いています。光触媒で445キログラムの健全果の割合が増えたことで、約22万2500円の利益が向上できます」
と喜んだ。
一方、カルテックは「光触媒による鮮度維持能力に高い評価を得られた」と胸を張る。浜松パルスも「この装置で採用している光触媒ユニットは『農家の未来を変える画期的な装置』といえる」と話す。
これまでの冷風機のみの貯蔵庫から、「冷風機+AIR REVIVE」に換えることで、約5000トンのみかんの廃棄を防ぐことができるという。
フードロスが減り、鮮度のよい、おいしいみかんが長く食べられるようになって、消費者にもうれしい。(J-CAST会社ウォッチ編集部)