証券会社リポート「想定以上の減額修正となり、ネガティブな印象」
今回の下方修正は、市場にとって想定外のものだった。
野村証券は発表を受けたリポートで第一印象を「ネガティブ」とした。三井金属が極薄銅箔の販売量予想について、2023年3月期下半期の予想を上半期の半分弱としたことなどから、「スマホのパッケージ用だけでなく、非スマホのパッケージ用でも大きな在庫調整が発生していると考えられる」と指摘した。
SMBC日興証券も発表を受けたリポートで「下振れは見込んでいたが、想定以上の減額修正となり、ネガティブな印象だ」との受け止め方を示し、「金属相場、為替、エレクトロニクス市場の変動によって利益見通しが大きく振れる収益構造を再認識した」と記した。
三井金属は極薄銅箔のシェアが高いことなどから、今回の下方修正の要因は販売の数量に限ったもので競争環境に変化はなく、納入価格は安定していると説明している。
とはいえ、肝心の需要が持ち直さなければ、販売数量の回復はない。スマートフォンは最終価格が高騰するなか買い換え需要を見通しにくいだけに、三井金属の業績にとっても先行きの不透明感が拭えなくなっていると言えそうだ。(ジャーナリスト 済田経夫)