東京圏全体で転入超過 拡大が最も大きいのは25~29歳
一方、東京都と密接に関係する東京圏全体(東京都、神奈川、埼玉、千葉各県)で見ても、2022年の転入者は45万9077人、転出者は36万4666人で、計9万4411人の転入超過だった。ただ、4都県のうち、前年に比べて転入超過数が拡大したのは東京都のみ。3県は縮小した。
東京圏の動きを年代別で見ると、転入超過の拡大が最も大きかったのは25~29歳。21年には転出超過だった30~34歳も、22年には転入超過に戻った。25~29歳は大学を卒業し、就職などをきっかけとした移転、30~34歳も仕事に関する移転が多いとみられ、働く若い世代が地方から東京圏に移っている様子がうかがえる。
ある不動産関係者は「この1年ぐらいでテレワークから出社に戻す人が明らかに増えている。東京からの人の流出はコロナ禍による一過性のもので、一極集中を解消するには抜本的な対策が不可欠であることが改めて示されたという結果ではないか」と話している。(ジャーナリスト 白井俊郎)