相手と長く付き合いたいからこそ、「一見さんお断り」
会社を経営していれば、無理を聞き入れてもらいたい、という事情のときがあるものです。それが頼めるのも、適正金額で取引していればの話です。毎回、値引きを要請していたら、相手は値引きを見込んで見積りを出すようになります。そういう関係は長続きしないと、竹由さんは言います。
「信頼は簡単に得られません。どうすればいいかといえば、長いお付き合いができるように、意識することではないでしょうか。見積もりであれば、一本筋を通していくこと。『これが検討を尽くしたうえでの見積りです。これ以上、値段を下げられる余地は残していません』。こう言い切れるくらいが理想なのです。ゆるがない人は、信用できます。そういう担当者がいる会社と長い付き合いをしていきたい』と思うから、『一見さんはお断り』なのです」(竹由さん)
京都花街に限らず、格式の高い店には「一見さんお断り」が少なくありません。長きにわたる信頼関係を結びたいからこそ、あえてお断りするのが真意なのでしょう。