3割超の農家が「必要経費の高騰」に困っている
そうしたなか、株式会社リンクが「農業をするうえで困っていること」(有効回答155人)を聞いたところ、最も多い32.7%の人が「必要経費の高騰」と答えた。次いで、「人手不足」の13.6%、「機械の不足」が10.5%と続いた。
「市場価格(米価)の下落」には6.8%の人が「困っている」と回答。「資金不足」が6.2%、地球温暖化の影響とみられる「天候不良」にも4.9%が「困っている」と答えた。【下のグラフ参照】
「必要経費の高騰」は、新型コロナウイルスの感染拡大やロシアによるウクライナ侵攻によって、肥料や農薬、燃料などが相次いで高騰したことが影響。ますます深刻化、かつ長期化しそうな状況にある。コスト高で赤字経営となり、「離農」する人も増えている。
4番目に多い「悩み」にあげられた「市場価格(米価)の下落」と相まって、よりコメ農家を苦しめる状況にあるといえる。
調査したリンクは、
「米価の下落が続きそうな一方で、肥料などが値上がりする、「コメ農家泣かせの現状をなんとかしたいという人も少なくなかった」
とコメントしている。
さらに「人手不足」や、進展する農業就労者の高齢化によって、高齢者が一人で農作業する機会が増えたり、後継者がおらず、泣く泣く離農したり、引退するタイミングを見つけられない人がいたりするという。
こうした事態も、まずは赤字経営が改善しないことには解決に向かわない。次世代の担い手が現れにくい状況が続きそうだ。
なお調査は、10代~70代の農作物の生産者を対象に、2022年12月8日~18日に実施。LINEのアンケート機能を使ったインターネット調査で、有効回答は155人。