早くも2024年3月卒業予定の大学3年生の就職活動が本格化している。
新卒者を募集する企業の採用活動解禁日は3月1日だが、その1か月前時点で内定(内々定)者が2割以上に達することが、就職情報サービスの学情(東京都千代田区)が2023年2月7日に発表した「2024年卒 内々定率調査 2023年2月度」で明らかになった。
理系学生では内定率は3割近くにもなり、情報、IT、コンサルティング企業を中心にどんどん専攻が進んでいる。
情報、IT、コンサル、教育、福祉、医薬品から内定早出し
学情の調査は、2023年1月末時点。2024年卒の大学生に内定(内々定)率を聞くと「21.9%」で、2022年12月末時点から1か月で4.0%増となった。昨年同時期(19.4%)より2.5%増えており、早いスタートダッシュだ【図表1】。
内定の平均獲得社数は「1.59社」となり、昨年同時期の「1.44社」を上回っている。「内定を獲得し、就活を終了」と回答した学生も4.2%いるありさま。
内定を獲得した企業の業種は、「情報・調査・コンサルティング」(19.6%)が最も多く、次いで「IT・ソフトウェア・インターネット」(18.2%)、「教育・福祉・その他サービス」(13.4%)、「医薬品・化粧品・日用品」(10.5%)と続く。29業種区分のうち、25業種で内定が出ており、偏り少なく採用選考が進んでいるようだ。
文理別では、理系が「27.1%」と、昨年同時期(16.3%)を10%近く上回る伸びで、情報やIT企業を中心に理系の内定出しが急ピッチに進んでいることがうかがえる。一方、文系は「19.3%」と、逆に昨年同時期より1.6%下回っている【図表2】。
「誓約書提出」「就活終了依頼」...オワハラ受けた人も
インターンシップへの参加社数の平均は「6.49社」で、前年同時期(5.91社)を0.58社上回った。「10社以上」という人も4割近く(39.0%)おり、昨年同時期(30.7%)を8.3%上回り、インターンシップへの参加社数は年々増加傾向にある【図表3】。
ところで、内定者に対する企業からのフォロー対応はどうなっているのだろうか。具体的なフォロー内容を聞くと(複数回答可)、「人事担当者との面談(オンライン)」(36.1%)、「懇親会(オンライン)」(27.3%)、「先輩社員との面談(オンライン)」(26.7%)、「懇親会(対面)」(22.5%)と続いた【図表4】。
なかには、「誓約書の提出を求められた」(16.6%)、「就職活動の終了を依頼された」(2.0%)などと、露骨な「オワハラ」(就活終われハラスメント)を受けた人もいた。そもそも、まだ「就職活動解禁」以前の時期である。企業側には厳しいコンプライアンスを求めたい。
調査は、2023年1月25日~1月31日、2024年3月卒業(修了)予定の大学生・大学院生482人にインターネットでアンケートを行なった。(福田和郎)