求人情報ビジネスだが「給与」や「待遇」は掲載NG
ウォンテッドリーは「ビジネスSNS事業」の単一セグメントですが、大きく「個人向け」と「ビジネス(法人)向け」の2つのサービスを提供しています。
個人向けサービスには、SNS上で気軽に「会社訪問」ができる「Wantedly Visit」と、プロフィールを通じて個人の活躍をアピールできるつながり管理アプリの「Wantedly People」があります。
ビジネス(法人)向けサービスには上記「Wantedly Visit」をプラットフォームとした「採用」と「エンゲージメント」があります。「採用」は「Wantedly Visit」への募集掲載や記事投稿のほか、候補者の管理やスカウト(ダイレクト・リクルーティング)などが可能なサブスクリプション型管理サービスです。
「募集掲載」とは通常の媒体における求人の役割にあたる記事のことですが、Wantedlyの場合、給与や福利厚生、待遇を掲載できないことになっています。これは「共感」や「やりがい」を軸とした採用活動・転職活動を推進したいから、という思いがあるようです。
「エンゲージメント」は、オンライン社内報サービス「Story」と、社員の週次サーベイなどが行えるチームマネジメントサービス「pulse」、福利厚生サービス「Perk」で構成されています。
主な収益は、ビジネス向けサービスの「採用」で、固定金額で半年/年間の契約を基本としています。有料プランにはライトプラン、スタンダードプラン、プレミアムプランがあり、月額は3.5万円から20万円と幅広いです。
なお、2022年8月末時点で、個人の登録ユーザーは355万人、登録企業数(「Wantedly Visit」「Wantedly People」共通のWantedlyアカウント数)は4.3万社と、非常に多くの登録会員を擁しています。
個人課金にはWantedly Visitの「Premium Basic」があり、月3300円(税込)を支払うと、会社からのスカウトが10倍になるとのこと。この利用者数も公開されていませんが、仮に無料であっても転職潜在層の個人会員が多く登録していることは、登録企業にとって大きな魅力となるでしょう。