いまや英語に「逃げ切り世代」はない
「週刊ダイヤモンド」(2023年2月11日号)の特集は、「一度覚えたら忘れない英語勉強法」。
新型コロナウイルスの感染拡大によりオンライン会議が浸透し、それゆえ国内にいても英語力が求められるようになった人も少なくない。加えて、小中学校・高校の英語の難易度が大幅にアップ。いまや英語に「逃げ切り世代」はないという。最新科学に基づく英語学習法を伝授している。
東京大学大学院の酒井邦嘉教授が脳科学に基づく「忘れない英語」の学び方について、解説している。まずは、簡単な会話文から覚える。次に、覚えた文を応用して自分で文を作る。その際、動詞から考え、時制に注意する。
英語が身に付く映画鑑賞法には4つのステップがあるという。
1 日本語音声で字幕なし ストーリーの流れをつかむ
2 英語音声で日本語字幕 字幕を見なくても内容が分かるまで見続ける
3 英語音声で英語字幕 聞き取れない部分を中心に、英語の字幕で確認する
4 英語音声で字幕なし 1つの作品でいいから、セリフを丸ごと覚える
ビジネス英語を武器に、「成り上がる」方法を取り上げている。中級英語でスピーキングを磨き、40代で外国人幹部から評価された男性の実例を紹介している。
TOEIC535点からの学び直しを決意。NHKのラジオ英語講座は中学生向けの基礎英語から始めた。1年で50~100点を上げるペースでこつこつ学習を続け、2021年に800点台に。このとき、外国人幹部の説明役を買って出て、認められた。新たな部署への転属が決まり、ワークライフバランスが劇的に向上したという。
企業の採用や昇進に欠かせないTOEIC。2カ月で200点アップの秘策を明かしている。
たとえば、300点から500点台へのアップを目指すには、中学レベルの文法や単語を復習する。文法のテキストは、市販の中学生向けの文法ドリルでいい。単語は「夢をかなえる英単語新ユメタン0 中学修了~高校基礎レベル」(アルク)、リスニングとリーディングは「TOEIC Bridge Listening & Reading公式ワークブック」(国際ビジネスコミュニケーション協会)がいいそうだ。
子どもが受験に勝つための英語についても言及している。「大学入学共通テスト」のリーディングに対応するには、英語の多読本「ラダーシリーズ」などを日頃からたくさん読む習慣を付けること。リスニングは、受験英語の出題形式に即したリスニング問題を解く訓練をすることだ、とアドバイスしている。
第2特集は「楽天解体の序章」というおどろおどろしいタイトルだ。
携帯電話事業を展開する楽天モバイルの巨額赤字が雪だるまのように膨らんだことで、楽天グループは「解体の危機」にひんしているというのだ。
年内に楽天銀行と楽天証券ホールディングスの上場を予定し、金融事業の切り離しを進めるが、その先には楽天モバイルの切り離しか、楽天本体の救済が待ち受けるという。