日本企業、中国から移転? 海外に強いMUFGの出番!
そうしたなか、日本では長く続いたゼロ金利政策が、いよいよ転換期を迎えそうだ。4月には、「アベノミクス」を後押ししてきた日本銀行の黒田東彦総裁が代わることもある。日銀が12月20日に、10年もの日本国債の上限金利を0.25%から0.5%に引き上げるとの方針を明らかにした「事実上の利上げ」に踏み切ったことで、銀行の住宅ローンの金利がわずかだが上がった。本格的な利上げにはまだ遠いが、金利が付くようになれば、銀行にとっては収益状況が大きく改善する。
週刊東洋経済「2023年大予測」(2022年12月14日、12月31日新春合併特大号)のメガバンクの記事では、「コロナ禍や海外金利の上昇といった不透明感はあるものの、3メガバンクの業績は堅調だ」としている。今後の課題については、「海外で相次ぐ出資・買収成長の果実が取り込めるか」と書かれている。銀行株には、チャンス到来といえそうだ。
当面は、中国のゼロコロナ政策の影響によるサプライチェーンの断絶に苦しむであろう日本企業は少なからずある。サプライチェーン強化に向けて、生産拠点である中国への一国集中から東南アジアへの移転、あるいは国内回帰などの施策を推し進めることになる。
そうなると、海外業務に強いMUFGの出番だ。「海外で相次ぐ出資・買収成長の果実の取り込み」を見据えて、相場格言「三割高下に向かえ」に従い、1月13日終値の3割増しとなる1296円(997円×30%)を当面の目標に、売却を考えることにした。
最近のMUFG株の株価チャート(日足)を見ると、急激な株価上昇に伴う利益確定売りの調整も、終了まぢかと見える。次へのステップが待たれる。(石井治彦)
【三菱UFJフィナンシャル・グループ】(8306)
2023年2月8日現在 保有3100株 平均取得単価668円91銭
昨年来高値2023/1/13 995円80銭
昨年来安値2022/1/ 4 630円10銭
直近 終値2023/2/ 8 943円30銭
プロフィール
石井治彦(いしい・はるひこ)
投資歴25年。「現物株式取引」と「長期投資」が基本姿勢。情報源はもっぱら会社四季報や日本経済新聞、経済誌など。また、株主総会やIR説明会には、できるだけ顔を出すようにしている。東京都出身。