アベノミクスはなぜ金融政策から財政政策に変わったのか?

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リフレ派の反省

   物価上昇率は、なかなか2%に届かない。

   2017年の総選挙の後、「緊縮財政が日本の停滞を生んだ」という声が聞かれるようになった。内閣官房参与の藤井聡・京都大学教授は「消費税は8%から5%に引き下げてもいい」と主張、若手議員らとの勉強会を仕掛けた。

   「緊縮財政のみではだめだ」とする動きは、「アベノミクスのイデオローグ」と言われた人々の間でも顕在化していった。リフレ派の「教祖的存在」と言われた岩田規久男・日銀副総裁も財政をより重視する方向に傾き、こう発言した。

「日銀の金融超緩和政策だけではインフレ予想を上げることができず、2%の物価安定目標の達成に失敗する可能性が極めて高い」(ロイター通信、2019年2月18日配信)

   リフレ派は、途中から2014年の消費税増税によるマイナスのインパクトが大きかったなどと責任転嫁していった。「アベノミクスを失敗と言わせないためにも財政が必要だ――。安倍はそんな思いを深めていったようだ」と書いている。

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