米国経済の牽引車、ハイテク大手「GAFAM」の株価急落
雇用統計の発表を受け、回復基調が鮮明だった米ハイテク株が急落したことに注目したのが、三井住友DSアセットマネジメントのチーフマーケットストラテジスト市川雅浩氏だ。
市川氏はリポート「回復基調が鮮明な米ハイテク株と強い米労働市場をどう考えるか」(2月6日付)のなかで、年初からの米大手ハイテク株や主要株価指数の動きを表に示した【図表2】。
米大手ハイテク企業GAFAM(グーグルの持ち株会社アルファベット、アップル、メタの旧社名フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト)などだ。
これらの企業は、2022年12月30日から2023年2月2日までの期間、軒並み2ケタの上昇率となっていたが、1月米雇用統計が発表された2月3日、アップル以外は軒並み急落した【再び図表2】。
市川氏はこう指摘する。
「1月米雇用統計の結果を受け、市場では米利上げの長期化観測が浮上し、米10年国債利回りは前日から大きく水準を切り上げ、ハイテク株は急落しました。強い米労働市場を踏まえ、弊社(=三井住友DSアセットマネジメント)は今般、米金融政策について、3月と5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、それぞれ0.25%の利上げが行われ、FF金利の誘導目標は5.00%~5.25%で年内据え置きとの見方に修正しました」
なるほど、それまでは、FF金利は4.75%~5.00%で据え置きという見方だったのだ。今後の展開については、こう予測する。
「1~3月期の米国株は、引き続き米インフレと景気減速の度合いをにらみ、一進一退となる可能性が高いとみており、ハイテク株はしばらく長期金利の動向に左右される展開が予想されます。
ただ、ここから弊社の想定外にインフレが再加速し、一段の利上げ実施により、米景気後退が深刻なものとならない限り、年初からの米ハイテク株の回復基調が、大きく損なわれる公算は小さいのではないかと考えています」