米国の底力か?堅調な雇用にウォール街衝撃! FRB利上げ継続...エコノミストが指摘「ハイテク大手GAFAMの凋落」「米経済はソフトランディング?」

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米国経済がソフトランディングに向かうと期待させる結果

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景気後退が忍び寄るニューヨーク市街地

   一方、雇用統計に表れた「一見いい数字」からうかがえる「安心感」と「不安」に注目したのが、大和総研ニューヨークリサーチセンター主任研究員の矢作大祐氏だ。

   矢作氏はリポート「非農業部門雇用者数は前月差プラス51.7万人 2023年1月米雇用統計:雇用関係が堅調であることの安心感と不安」(2月6日付)のなかで、非農業部門雇用者数と失業率のグラフ【図表1】を示しながら、まず「安心感」をこう指摘した。

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(図表1)非農業部門雇用者数と失業率(大和総研の作成)
「失業率も3.4%と前月からさらに低下したことから、雇用環境の堅調さが継続していることを示す結果となった。新規失業保険申請件数からも、足下まで雇用環境に大幅な悪化の傾向は見られない。
注目の賃金上昇率は前月比および前年比で減速した。労働供給が拡大していない点は引き続き課題だが、雇用環境が堅調でありながら賃金上昇率で測るインフレ上昇圧力が低下した点は、米国経済がソフトランディングへと向かうことを期待させる結果であったといえる」

   つまり、景気後退に陥るにしろ、穏やかに減速しそうだというわけだ。一方、「不安」についてはこう分析する。

「他方で、足下まで続く雇用環境の堅調さは、緩和的となってきた金融環境と相まって、需要を押し上げると考えられる。今回の雇用統計の結果だけで判断するのは尚早ではあるが、需要の押し上げによってインフレの減速ペースが緩やかになったり、再び上昇に転じる兆しが見られたりすれば、FRBがタカ派的なスタンスを強める可能性があるだろう」

   本来なら、雇用が堅調であることは、米国経済の好循環といえるが、高インフレが最大の懸案となっている現在、インフレ上昇圧力を抑えるために金融引き締めを通じて需要を抑制してきたFRBの目論見とは逆行するというわけだ。

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