現場到着所要時間が初の9分台に 病院収容所要時間は約42分台
さて、救急車と言えば、もっとも気になるのは、どれぐらいの時間で到着し、どれぐらいの時間で病院に運んでもらえるのかだろう。
2021年中の救急車の現場到着所要時間(入電から現場に到着するまでに要した時間)は、全国平均で約9.4分(前年比0.5分増)となった。過去10年以上8分台で現場到着していたが、初めて9分台に突入した。
また、病院収容所要時間(入電から医師引継ぎまでに要した時間)は、全国平均で約42.8分(前年比2.2分増)となった。こちらも、2020年に初めて40分台に乗り、2021年はさらに42分台に伸びている。(表2)
現場到着所要時間も、病院収容所要時間も新型コロナが感染拡大した2020年から増加幅が拡大しており、新型コロナが時間増加の要因の一つになっているように思われる。
ちなみに、救急車による搬送人員549万1744人のうち、医療機関等への受入照会回数が1回で決定したのは全搬送人員の80.1%で、2~3回は15.7%、4回以上は4.2%となっている。
最後に救急車の現場到着所要時間のワースト10と病院収容所要時間のワースト10を都道府県別に取り上げると、岩手県、福島県、山梨県、茨城県、高知県が両方でワースト10入りしている。(表3、表4)
救急車は生命の危機に際して、病院への搬送を担う重要な手段であり、救急車の運用がくれぐれも順調に滞りなく行われることを願うばかりだ。