コロナ禍で、がんばっている人の姿を目の当たりに
職業に対する、こうした子供たちの意識の「変化」にベネッセコーポレーションのスタディキャスト調査担当者は、J-CAST会社ウォッチ編集部の取材に、
「コロナ禍で社会との接点が少なくなるなか、子供たちにとって一番身近な大人の存在が家族や先生でした。学校が休校になったり、オンライン授業が始まったりする中で、先生たちが自分たちのために一生懸命にがんばってくれる姿を感じていたのではないでしょうか。
同じように、医療現場で日々奮闘する医師や看護師、介護スタッフが活躍している姿や、物流の配達員などが自分たちの日常生活を支えるために奮闘する姿を目の当たりに感じて、『働きがい』や『やりがい』を求める中高生の心に火をつけたのではないかと考えています」
と、話した。
小学生時代の「なりたい職業」で上位にあがる「YouTuber」や「スポーツ選手」、「パティシエ・ケーキ屋さん」といった「夢」の職業から、より現実的に、身近に「誰かの役に立ちたい」と考えるようになったともいえそうだ。
ちなみに、公立の学校教員の働き方改革は、昨年12月に文部科学省が発足した有識者や学校関係者を集めた調査研究会で、その取り組み状況を公表した。
2019年に定めたガイドラインでは時間外勤務を月45時間以下にすることを目標にしているのだが、これをクリアできた教員は2022年度(4~7月平均)に、小学校で63.2%(前年度比1.9ポイント増)、中学校で46.3%(同1.8ポイント増)と、改善の歩みも鈍い。コロナ禍の感染症対策や全国一斉休校を契機に導入が進んだオンライン授業への対応で、ますます忙しくなっているともいわれており、まだ道半ばのようだ。
なお、調査はベネッセコーポレーションの無料の自習室×学習記録アプリ「StudyCast」(スタディキャスト)を利用する現役中高生ユーザーを対象に、2022年11月30日~12月5日に実施。1738人から回答を得た。