何かと「自分らしさ」を主張するとか、「仕事とプライベート」をキッチリ分けると受け取られがちなZ世代の若者。
ところが意外にも、男女ともに「社内交流」が好きだったことがマーケティングリサーチの「アスマーク」(東京都渋谷区)が2023年1月24日に発表した「自主調査『世代による職場意識の違い』」でわかった。
上司・先輩のあなた、Z世代の部下・後輩と社内イベントで大いにコミュニケーションを図り、やる気を引き出す参考にしてはいかが?
男性Z世代、「時間の自由」も欲しいし「社内交流」もしたい
アスマークの調査は、22歳から56歳までの正社員の男女、合計1200人が対象。それぞれ男女100人(計200人)ずつを次の3世代に分けて分析した。
(1)Z世代(22歳~27歳)=デジタルネイティブ。幼いころからスマホやSNSに触れ合ってきた世代。
(2)Y世代(28歳~41歳)=ミレニアル(新千年紀)世代ともいわれ、2000年代に入って成人を迎えた。バブル崩壊前後に生まれ、IT機器の拡大とともに育ってきた世代。
(3)X世代(42歳~56歳(=ポスト団塊ジュニア(42歳~47歳)、団塊ジュニア(48歳~51歳)、バブル世代(52歳~56歳)の3世代を含む。バブル崩壊頃から就職氷河期時代にかけて成人を迎えた世代。
調査ではまず、Z世代の職場に対する意識を探るために、Y世代、X世代を同じ質問を試みて比較した。「時間に縛られない働き方」や「職場の人とのコミュニケーション」などに前向きがどうか、2つのタイプの質問を用意した。
次の(A)が積極的、(B)が消極的な傾向を表わす内容だ。(A)と(B)のどちらに当てはまるかを5段階で聞いたのだ。
(A)=仕事重視傾向
「プライベートと仕事はきっちり分ける」
「朝早く出社し、早く帰りたい」
「決まった時間に働きたい」
「会社都合による転勤はしたくない」
「できるなら好きなことを仕事にしたい」
「今は仕事を頑張る時だと思う」
「環境が変わることは一種の気分転換になる」
「職場の人とプライベートでも交流したい」
「社内イベントには積極的に参加したい」
(B)=プライベート重視傾向
「プライベートでも仕事のことを考える」
「遅くなってもいいから、ゆっくり出社したい」
「時間に縛られずに働きたい」
「キャリアにプラスなら転勤してもいい」
「好きなことまで仕事になるのは避けたい」
「今はプライベートを大切にする時だと思う」
「環境が変わることはストレスでしかない」
「職場の人とプライベートでは交流したいと思わない」
「社内イベントには参加したくない」
「決まった月給が好ましい」
そして、各世代の男女を比較した結果が【図表1】だ。
これを見ると、Z世代(ピンク色グラフ)の男性は、他の世代の人々より「時間の自由度」の面では「B」のプライベート重視の方向に振れやすいようだ。一方で、「社内交流」の面では他の世代の人々より積極的で、「A」の仕事重視の方向に流れやすいことがわかる。