4社に1社が「国内」「国産」回帰...コロナ禍、地政学リスクでサプライチェーン混乱

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広がるか? 脱「中国依存」の動き

   調査では、帝国データバンクの「国別海外進出企業データ」を用いて、回答企業の進出先を確認した。

   それによると、日本企業の進出先第1位の中国への進出がわかっている企業のうち15.9%とあたる、約6社に1社が自社拠点の国内回帰または多様化、一時停止を「実施・検討している」と回答している。また、進出先第2位の米国は5.0%、進出先第3位のタイでは8.8%の企業が「対策を実施・検討している」と答えた。

   米中の貿易摩擦に加え、新型コロナウイルスの感染拡大を背景とした中国のゼロコロナ政策などを背景に、特に脱「中国依存」の動きがみられる。

「中国での製造をベトナムに切り替えるように現地調査を実施して、発注を予定。予想以上にベトナムの製造能力が上がっている。すでに米国のアパレル系サプライヤーはベトナムに切り替えていることを確認した」(がん具・娯楽用品卸売、群馬県)

   このようなコメントがあった一方、

「中国との分断は経済的にあり得ないが最低限のリスク分散をしている」(包装用品卸売、広島県)

というように、脱「中国依存」に難しさを感じている声も複数聞かれた。

   帝国データバンクは、

「政府による国内回帰を促す政策や国内生産能力、生産効率アップのための支援策が打ち出されているなか、企業はそれらを活用しながらピンチやリスクをビジネスチャンスと捉え、将来に向けて事業を変革していくことが肝要となろう」

とコメントしている。

   なお、調査は全国の2万7163社を対象に、2022年12月16日~23年1月5日も実施。有効回答数は1万1680社(回答率43.0%)だった。

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